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特定非営利活動法人日本小児循環器学会 Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery
Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 32(6): 451-461 (2016)
doi:10.9794/jspccs.32.451

ReviewReview

胎児循環生理Physiology of Fetal Circulation

近畿大学医学部小児科学教室Faculty of Medicine, Department of Pediatrics, Kindai University ◇ Osaka, Japan

発行日:2016年11月1日Published: November 1, 2016
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右心室と左心室が並列循環をなしている正常児の胎児循環の特徴は,胎盤を有し,胎盤で酸素化が行われているため肺循環の必要性が少ないことである.このため,胎児循環には1つの心内短絡(卵円孔)と2つの心外短絡(静脈管,動脈管)が存在する.右心室からの血流はそのほとんどが動脈管を介して肺動脈から下行大動脈へと流れ,肺に循環する血液はわずかである.このため胎児心機能を評価するには3つの短絡と胎盤を含めた右心系の評価が重要である.妊娠後半になると肺血流量は前半の4倍に増加する.正常胎児の左心室は総心拍出量の45%を担い,出生後は胎児期の2~3倍に増加する.このような胎児循環の特徴を理解することは,出生後の心疾患の血行動態を理解するのに重要である.

A characteristic of fetal circulation is that the relationship between the right and left ventricles is parallel, with one intracardiac shunt (foramen ovale) and two unexpected shunts (ductus venosus and ductus arteriosus) in which lung circulation is not established and fetal oxygen is supplied from the placenta. The main blood flow streams from the right ventricle toward the descending aorta through the main pulmonary artery and ductus arteriosus, with little blood circulating in the lungs. Therefore, an evaluation of the right heart system, including the placenta and three shunts, is important for determining the cardiac function of the fetus. Until the third trimester of pregnancy, the pulmonary blood flow increases to four times that in the first trimester, and left ventricle blood flow that normally bears 45% of the total cardiac output in fetal circulation increases 2–3 times after birth. It is important to understand the characteristics of fetal circulation and its dramatic transition to the postnatal circulation to delineate the pathophysiology of congenital heart diseases.

Key words: fetal circulation; ductus arteriosus; foramen ovale; ductus venosus; congenital heart disease

はじめに

先天性心疾患(CHD)には,出生後に動脈管の閉鎖や卵円孔の狭小化が原因で致死的な病状を呈するものがある.近年,胎児心エコー検査の普及によって出生後に重症化するCHDを出生直後から治療することが可能となり,CHDの重症化を予防できるようになった.一方,CHDの出生前診断数が増加することでこれまで経験できなかった胎児心疾患に遭遇することになり,小児循環器医が対象とする心疾患に胎児心疾患が加わることになった.このため,小児循環器医は胎児循環動態も理解する必要がある.本稿では,小児循環器医に必要な胎児循環生理に関する基礎知識を紹介したい.

胎児循環

正常児の胎児循環の特性は,右心室と左心室が並列循環をなし,胎盤を有し,胎盤で酸素化が行われているため肺循環の必要性が少ないことである.このため,胎児循環には1つの心内短絡(卵円孔)と2つの心外短絡(静脈管,動脈管)が存在する.右心室からの血流はそのほとんどは動脈管を介して肺動脈から下行大動脈へと流れ,肺に循環する血液はわずかである.しかし,妊娠週数が進めば肺血流量は増加する.そして,出生後には短絡は減少し,左心室の心拍出量は胎児期の2~3倍に増加する.

1. 胎児循環での血液の流れFig. 1

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Fig. 1 Course of blood flow in the region of the porta hepatis and oxygen saturations of blood in the vessels in the region of the porta hepatis and in the inferior vena cava and hepatic veins

Umbilical venous blood is distributed to the left lobe of the liver. The ductus venosus arises from the umbilical vein, which then arches to the right to join the portal vein. Portal venous blood is largely distributed to the right liver lobe and only a small proportion passes through the ductus venosus. SVC; supra vena cava, IVC; infra vena cava, RLV; right hepatic vein, LHV; left hepatic vein. Reprinted with permission from reference 4).

胎盤で酸素化された臍静脈血の一部は門脈へ,残りの臍静脈血は静脈管を経由して肝臓を通過することなく直接下大静脈へ流れ込む.静脈管の血液は左肝静脈血と一緒に卵円孔を通過し,左心房,左心室,上行大動脈へと流れる.一方,下大静脈の血液と右肝静脈血は冠静脈洞からの血液と一緒に右心室へ入り肺動脈へと流れる.この選択的な血液の流れ方がどうようにして決まっているのかは明らかにされていない.羊の胎仔は静脈管と左肝静脈の入口部に弁様の構造物があり,それが血液を卵円孔に導くと考えられている1).ヒトの胎児はこのような弁様の構造物はない.右心房に流れ込む血流の方向と心房中隔が,空間的に直行する位置関係にあることが血液を卵円孔へ導くと考えられている2).腹部下大静脈の血流速度は15 cm/sであるのに対し,静脈管の血流速度は55~60 cm/sと速い.この血流速度の違いが静脈管の血流を卵円孔へ導くとも考えられている3).このように選択的に血流を分離することで,下大静脈からの血液の50~60%は卵円孔を通過し左心房,左心室,上行大動脈へと流れる.これにより高い酸素飽和度の血液が,冠動脈および脳循環へ供給される.残りの下大静脈からの血液は上大静脈からの血液,冠静脈洞からの血液と合流して右心室を経由し肺動脈へ流れる.一部は肺に流れ,ほとんどが動脈管を通って下行大動脈へと流れる.ここで左心室からの血液と合流し胎盤へ供給される.

2. 胎児循環での血流配分Fig. 2

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Fig. 2 A: The percentages of the combined ventricular output that are ejected from each ventricle, flow through the main vascular channels and return to the fetal heart. Figures represent values for late-gestation lambs. B: The volumes of blood flow through cardiac chambers and great vessels in the late-gestation fetal lamb (mL/min per kg body weight). Reprinted with permission from reference 4).

出生後の循環では左心室から大動脈に拍出された血液は全身の組織に届けられる.そして,静脈を通って右心房に還流し,右心室から肺動脈に駆出された血液は左心房・左心室と循環する.この直列循環では両心室から拍出される血液量(心拍出量)は等しい.胎児期の循環では体循環と臍帯静脈血が混合し,その混合した血液が両心室から拍出され胎盤を含めた各組織に配分される.左右心室から拍出される血液量に違いがあることが,出生後の循環とは異なる.

広く知られているRudolphらの胎児循環の観察を紹介する4–6).妊娠後期での羊胎仔の両心室の拍出量を記録したところ450 mL/kg/minであった.臍帯・胎盤循環に200 mL/kg/min,胎仔に250 mL/kg/min送られいた.羊胎仔では右心室が3分の2を,残りを左心室が拍出していた.臍帯・胎盤循環の200 mL/kg/minは総心室拍出量の40~45%にあたる.臍静脈血の約55%が静脈管に,45%が肝循環に送られる.静脈管,肝静脈,腹部下大静脈から下大静脈に入る血液は総心拍出量の70%,315 mL/kg/minになる.そのうち115 mL/kg/min,すなわち総心拍出量の25%が卵円孔を通って左心房に入る.この血液は主に静脈管由来である.上大静脈からの還流血は90~95 mL/kg/minで総心拍出量の21%を占め,主に三尖弁を通過して右心室に入る.下大静脈と冠静脈から200 mL/kg/minの血液が右心室に入り,右心室は総心拍出量の66%,300 mL/kg/minの血液を拍出する.肺循環に分配される血液は右心室から拍出される血液のわずか10~15%,総心拍出量の8%,35 mL/kg/minで,残りの265 mL/kg/min,総心拍出量の58%が動脈管を通る.

左心室には肺静脈から35 mL/kg/minの血液と卵円孔を通過した115 mL/kg/minの血液が入る.左心室は150 mL/kg/min,総心拍出量の33%を拍出することになる.左心室から拍出された血液の3分の1,45 mL/kg/min,総心拍出量の10%が大動脈峡部を通過し下行大動脈に流れる.総心拍出量の20%,90 mL/kg/minが上半身(脳,上肢)に分配される.

3. ヒト胎児循環での血液配分Fig. 3

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Fig. 3 A: The percentages of the combined ventricular output that are ejected from each ventricle, flow through the main vascular channels and return to the fetal heart in the late-gestation human fetus. B: The volumes of blood flow (mL/min per kg) through cardiac chambers and great vessels of the late-gestation human fetus. Reprinted with permission from reference 4).

ヒトも羊も胎児循環の経路は大きく変わらない.臓器の重さによって血液分布が変化する.なかでも大きく異なるのは脳の重量である.各臓器への血液配分を100 gあたり120 mL/minと仮定すると,ヒトは120 mL/kg/minになる7).これは総心拍出量の31%に当たる.総心拍出量が羊と同じ450 mL/kg/minと言われている.右心室と左心室の拍出量は2 : 1であるが,ヒトでは1.2~1.3 : 1である8).妊娠後半の人の肺血流は75 mL/kg/minと言われており総心室拍出量の17%に達する9).各心室からの拍出量と臓器分布をFig. 3に示す.

胎児の心拍出量

心拍出量を決定するのは心拍数と1回拍出量である.1回拍出量は前負荷,後負荷,心筋の収縮で決定される.

1. 心拍数の影響

成人はおおよそ心拍数が50回/分から150回/分の範囲で変化しても,心拍出量は一定を保っている.羊胎仔の実験では安静時およそ160以上の心拍数の自然増加は15~20%の心拍出量の増加と関係していた10).また,心拍数の減少は心拍出量の減少をもたらしていた10).しかし,これらの実験で頻脈が直接心拍出量を増加させたのかは証明できていない.なぜなら,心拍数の増加をもたらす因子が心筋の収縮性にも影響しているからである.一方,迷走神経刺激は両心室の心拍出量を15~20%減少させ,徐脈とも関係しているが,同様に,徐脈によって心拍数の減少をすべて説明することもできない.迷走神経刺激により体血圧が上昇し,後負荷が増加することも心拍出量の減少に影響すると考えられる.

ヒト胎児ではドップラーによる心拍出量の計測で,心拍数が増加しても心拍出量には変化がないことが判明している(Fig. 411).このことから,胎児の心筋は堅くFrank–Starlingの法則に従って収縮性が変化しないと考えられていた.しかし,胎児でも期外収縮後のより長い拡張期相に続く収縮相は1回拍出量を増加させている12).したがって,胎児の心筋層がFrank–Starlingの法則に従うと結論されることができる.

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Fig. 4 Relative stability of ventricular outputs of human fetuses despite variations in their heart rate

Solid and dotted line represent left and right ventricular outputs, respectively. Reprinted with permission from reference 11).

2. 前負荷の影響

左心室の前負荷は下大静脈からの血流,卵円孔を通過する血流,肺静脈還流血,右室拡張機能によって決まる.下大静脈からの血液の50~60%は卵円孔を通過し左心房,左心室,上行大動脈へと流れる.妊娠週数による卵円孔の適度な大きさは明らかではないが,左心室の小さな胎児には卵円孔の大きさや開放に問題がある.三尖弁および右心室の機能不全は卵円孔を通過する血流を増加させる.妊娠後半になると肺血流が約4倍に増加することで肺静脈還流血は増加する13)

右心室の前負荷は上大静脈からの血流,下大静脈からの血流,卵円孔の大きさ,左心房圧によって決まる.卵円孔を通過しない下大静脈からの血流は右心室の前負荷になる.羊胎仔の実験では下大静脈からの血流の約60%は右心室の前負荷になっていた14).卵円孔の大きさ,開放に問題があると左心室への血流が減少し,右心室が大きくなる.僧帽弁狭窄・閉鎖不全や左心室拡張機能不全は左心房の圧を上昇させ卵円孔を通過する血流を減少させる.この現象は胎児重症大動脈弁狭窄で説明可能である.重症大動脈弁狭窄では左心室が肥大し,拡張期圧が上昇することが右心室への血流増加を誘導している.

羊胎仔において前負荷の減少と増加による心拍出量を計測した実験がある15).心房圧が安静時から2~4 mmHg上昇すると心拍出量は増加する.しかし,心房圧をさらに上昇させても心拍出量は増加しなかった.つまり,胎児では前負荷の増大に関連する心拍出量の増加には限りがある.これは,胎児心筋の特徴によるともの考えられている.

3. 後負荷の影響

後負荷は中心動脈の弾性特性と末梢動脈の抵抗によって決まる.羊胎仔の左心室からは心拍出量の70%が上半身に駆出される.脳循環血圧の変化は左心室の後負荷となる.大動脈峡部直径は特に妊娠後半に細くなるため左心室の後負荷に加わる.一方,右心室の拍出量の60~70%の血液が通過する動脈管は,広く開存しているため抵抗にならない.右心室の後負荷は下行大動脈領域の血管床である.胎盤循環は低い抵抗で大量の血液が循環しているので右心室の後負荷としては重要である.

前述の羊胎仔に前負荷の減少と増加による心拍出量を計測した実験で,胎児では前負荷の増大に関連する心拍出量の増加に限りがあると述べた.しかし,Hawkinsらは動脈圧を変化させて同様の実験を行った16).動脈圧の上昇は心房圧がどのようなレベルであっても心拍出量を減少させた.胎児では卵円孔と動脈管の存在で左心房と右心房,肺動脈と大動脈は同じ血圧となっている.胎児における左心室と右心室の1回拍出量の違いは心室の後負荷の差によると考えられる.

4. 心筋の収縮とパフォーマンス

胎児心筋の特性は筋節の長さ–張力の関係を示した実験で示されている(Fig. 517).羊胎仔の心筋の活動張力は羊成体に比べて低い,活動張力は筋節の長さを一定にして刺激を与えて生じる張力で,自然長で最も強くなる.これは自然長ではアクチン,ミオシンの重なりが最も多くなるからである.一方,静止張力は胎児心筋の方が強い.静止張力は弛緩している筋肉を引き伸ばした時に抵抗して元に戻そうとする張力である.胎児心筋の特性として,胎児の筋細胞では非収縮性蛋白質の比率が60%を占め,成体の30%に比して高いことがあげられる.このため胎児心筋は収縮性が低い.さらに胎児心筋細胞ではサルコメアやT-tubuleといった収縮成分の減少に加え,成熟心筋でみられる並列配置と異なる不規則な心筋細胞配列が認められる18).これらの特性によって胎児心筋細胞は収縮力が弱いため,胎盤機能不全による後負荷増加では心筋収縮力は著しく低下する.前負荷の増加による収縮力の増加は限定的で,早期にプラトーに達する19)

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Fig. 5 Comparison of length-tension curves of cardiac muscle between fetal and adult sheep

A lower active tension development, and higher resting tension, are consistently observed in the fetal heart. Reprinted with permission from reference 17).

胎児肺循環

胎児循環の特徴は末梢肺動脈の抵抗が高いために肺動脈に少ししか血液が流れないことである.肺動脈の前腺房分岐形成パターンは,妊娠20週で完成する20).その後,小さい肺動脈の広範囲な分岐が観察される.付随して,終末細気管支のレベルで肺動脈の壁の厚い筋層の発達が観察される.この筋層は,胎児の肺内動脈の反応性と高度な血管抵抗の持続の鍵となり,出生の直後に観察される肺動脈の劇的な拡張に関与する.酸素は胎児および出生後の肺血管抵抗を決定する要因のひとつである21)

α-アドレナリン作動性アゴニストとβ-アンタゴニストのような神経化学物質は肺動脈を収縮させる.一方,α-アドレナリン作動性アンタゴニストとβ-アゴニストは出生前後で肺動脈を拡張させる.代謝性または呼吸性アシドーシスはあらゆる発達の段階で肺血管収縮の原因となり,アルカローシスは肺血管拡張の原因となる22).アラキドン酸代謝産物(シクロオキシゲナーゼ経路からのプロスタグランジンとトロンボキサン,リポオキシゲナーゼ経路からのロイコトリエン)の胎児末梢肺循環への影響は盛んに研究されている.トロンボキサン,ロイコトリエン,PGF-2αは肺血管収縮物質である23).シクロオキシゲナーゼ経路の他の全ての産物は肺血管拡張物質であると示されている.プロスタサイクリンはそれらの最も強力な物質のひとつである24).また,プリンヌクレオチド(アデノシンとATP)には羊胎仔で有意の肺血管拡張効果がある.メディエーターがこのようにたくさん存在することは肺循環抵抗の制御の複雑さを反映している.

胎児肺循環におけるドプラ血流波形は血管領域で異なる.主肺動脈のドプラ血流波形の加速時間(0.037±0.009 s)は大動脈の加速時間(0.052±0.011 s)より短い25, 26).これは肺血管抵抗が高いことを示している.正常胎児の肺動脈の短い加速時間は高い前負荷と低い後負荷の結果,右心室の良好な心パフォーマンスによる.

肺動脈分枝のドプラ血流波形は主肺動脈とは異なる.非常に短い収縮期加速時間の後に短い逆流があり,拡張期に静かな前方血流を認める.この肺動脈分枝のドプラ血流波形は右心室のパフォーマンス,末梢肺動脈と中心肺動脈の動的特性など複数の要素によって決定される.

胎盤循環

胎盤の循環は母体側の胎盤と胎児側の胎盤と2つの要素で構成されている.この2つは密接に関係しているが,両者は独立した循環である.

臍帯・胎盤系の血流は主に血管の成長と血管の拡張によって妊娠を通して増加する27).人胎児は妊娠週数と共に胎盤血管抵抗が低下する.そのため,正常な胎盤は200 mL/min/kgもの臍帯血流に非常に低い血管抵抗を提供している.臍帯血流と胎盤の抵抗以外に,胎盤血流の生理学的制御機能は明らかにされていない28).他の血管床と同様に,胎盤血流は駆動圧に依存し,血管抵抗とは逆相関する.

胎児循環での短絡

1. 大動脈峡部

胎児循環における大動脈峡部は右心室・左心室からなる並列循環の交差点になっている.この交差点(大動脈峡部)は1つの循環からもう1つの循環への血流の短絡となっている.収縮期に大動脈峡部を通過する血流方向は両心室のパフォーマンスと上半身と下半身の血管抵抗によって決まる.左心室は大動脈峡部に順行性血流を駆出している.反対に,右心室は大動脈峡部に逆行性血流を駆出している.正常胎児における大動脈峡部では胎盤の抵抗は低いことで収縮期に順行性血流が観察できる.拡張期には,両心室の半月弁が閉鎖し,大動脈峡部の血流方向は下流方向の血管抵抗に影響される.つまり,胎盤の血管抵抗が低いと拡張期に順行性血流となる.妊娠週数が進むと,収縮期と拡張期の血流時間積分値が低下し,大動脈峡部の血流方向は変化する29).これは横隔膜下の循環に対して,左心室から駆出される血流の比率が低下することを示唆する所見で,妊娠37週以降に峡部の直径が比較的小さくなっていることに一致する.拡張早期に観察される逆流血は胎児が満期に近づくにつれて増加する.大動脈峡部の逆流血は,上半身の血管系(左心室とその後負荷,基本的に脳循環)と下半身の血管系(右心室とその後負荷,基本的に胎盤循環)の2つの循環を比較するツールである.したがって,心室機能不全の場合だけでなく,脳動静脈廔や高い胎盤血管抵抗に起こる下流の血管抵抗間のバランスの変化でも大動脈峡部に拡張期逆流血が観察される30)

2. 卵円孔

卵円孔の開閉は一次中隔のフラップによって形成される.この弁は右心房から左心房への血流だけを通過させる.子宮内での右心房平均圧は約3~4 mmHgであるのに対して左心房平均圧は約2~3 mmHgである.つまり,胎児期における卵円孔の右左短絡は下大静脈の血流の方向によって決定されている.人胎児では妊娠20週から30週で卵円孔を通過する血流は総心拍出量の34%から18%に低下する31).これは肺血流量が増加し,肺還流血が増加するためで,左心室の前負荷は維持される.

3. 静脈管

静脈管は肝循環をバイバスし,臍帯静脈と下大静脈を直接繋ぐ血管である.この短絡を臍帯静脈の半分の血液が通過する.人胎児の静脈管のドプラ血流は加速しており,臍帯静脈と下大静脈で圧較差を生じている32).この圧較差は心房と心室の充満期に最大3 mmHgである.静脈管は臍帯血流と中心静脈圧に影響を及ぼしている.

出生に関連する循環動態の変化

出生することで胎盤循環は終わる.肺で酸素が取り込まれ,二酸化炭素が排出される.血液の循環は並列循環から直列循環に移る.全静脈血は右心房に還流し右心室へ,そして酸素化を受けるべく肺に拍出される.酸素化を受けた血液は左心房に環流し,左心室から全身の組織に拍出される.卵円孔と動脈管は出生後の循環が確立するために解剖学的にも閉鎖しなければならない.羊胎仔の実験では,胎仔が娩出され呼吸が始まることで肺血流量が増加し,肺血管抵抗は低下した33).肺を通過する血液は総心拍出量の9%から31%へ増加する(Fig. 6A).しかし,肺動脈圧は低下しなかった.肺血流の増加によって左心房への還流血が増加し卵円孔を通過する血液は低下する.右心室の拍出量は総心拍出量の65%から52%になり,動脈管を通過する血液量は総心拍出量の57%から24%に低下した.左心室からの拍出量は総心拍出量の34%から48%になり,左右心室の拍出量は等しくなった.酸素による換気は肺血管抵抗を下げ,肺血流をさらに増加させた(Fig. 6B).右心室からほぼ全ての血流が肺循環に分布され,左心房への還流血は増加し,左心房圧が上昇し,卵円孔は閉鎖した.左心室の拍出量は総心拍出量の55%になり,右心室の拍出量は総心拍出量の45%になった.これらの研究から肺の換気による肺血管抵抗の劇的な低下が出生後の循環動態の変化に重要な役割を果たしていると言える34)

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Fig. 6 A: Proportions of the combined ventricular output ejected by the right and left ventricles and flowing through great vessels in fetal lambs during ventilation without changing fetal blood gases. B: Proportions of the combined ventricular output ejected by the right and left ventricles and flowing through great vessels in fetal lambs during ventilation with oxygen.

Reprinted with permission from Macmillan Publishers Ltd: Pediatr Res 22: 557–566, copyright 1987. (Reference 33))

1. 動脈管の閉鎖

ヒト胎児では,動脈管は,通常左右対称型の原始大動脈弓の左側の最後の動脈弓(左第6咽頭弓動脈)によって形成され,左鎖骨下動脈が分岐した直後の下行大動脈につながる.動脈管の壁は大動脈や肺動脈とは形態学的に全く異なる.大動脈の血管壁が主に弾性組織からなるのに対して,動脈管の主な組織は平滑筋である.胎児期の動脈管は右心室からの駆出血を下行大動脈に導いている.羊胎仔では右心室からの駆出血の約90%が動脈管を通過する.ヒトの胎児での超音波ドプラ法を用いた動脈管を通過する血流の評価によると,右心室から駆出される血液の約60%が動脈管を通過すると推定される.動脈管は妊娠中広く開存しており,肺動脈と下行大動脈の間には圧較差は認めない.しかし,収縮期圧が5~8 mmHg低下することで,妊娠後期に軽度の狭窄が生じることがある.出生後,動脈管は急速に狭窄する.狭窄率は種によって異なる.羊では通常1時間以内に閉鎖する.満期で出生したヒトの新生児では機能的閉鎖が通常12~15時間以内に起こる.最初の数時間には両方向性短絡が超音波で検出される.しかし,約6時間後には僅かな左右短絡のみとなり,15時間までに僅かな左右短絡も検出されなくなる.完全閉鎖の前に動脈管はPO2の減少に反応して拡張する.そして,肺血管収縮の結果として肺動脈圧は上昇し,肺動脈から大動脈への短絡が再度出現することがある.動脈管が受けるPO2は狭窄の程度を決定する重要な因子である.羊胎仔では,PO2 18 mmHg程度の血液が動脈管から下行大動脈に流れる35).動脈管はPO2レベルの上昇によって収縮する.動脈管組織標本を用いた実験ではPO2 25~30 mmHgで動脈管は弛緩し,PO2 40~100 mmHgで動脈管の収縮は漸増する36).空気呼吸で,動脈血のPO2は90~100 mmHgまで上昇する.しかし,酸素が動脈管を収縮させるメカニズムは未だ明らかになっていない.酸素に対する動脈管の反応の大きさは妊娠週数に依存している37).胎児がより未熟であると,収縮反応が少なく,狭窄が始まるPO2レベルはより高くなる.動脈管はプロスタグランジンに高い感受性を持っている.動脈管はPGE2とPGI2(プロスタサイクリン)によって弛緩する.PGE2とPGI2は動脈管の壁で産生されるが,胎児では他の場所でも産生されておりPGE2は出生後よりも高い濃度で循環している.大量のPGI2が動脈管で産生されるにも拘らず,動脈管の筋層がPGE2により鋭敏であるために筋緊張の調節にはPGE2がより重要である.プロスタグランジンは,シクロオキシゲナーゼ酵素によってアラキドン酸から合成される.したがって,アスピリンやインドメタシンのようなプロスタグランジン合成を抑制する薬剤は,動脈管を収縮させる.

2. 出生後の心拍出量の変化

満期の羊胎仔の左右心室の総心拍出量は約400~450 mL/min/kgである.生まれたばかりの羊の心拍出量は400~500 mL/min/kgと測定される.出生後の左右心室の拍出量は同じなので,各心室の拍出量は400~450 mL/min/kgであり,総心拍出量は2倍の800~900 mL/min/kgとなる.胎児において,右室の拍出量は総心拍出量の約66%,300 mL/min/kgなので,出生後は400~450 mL/min/kgで約50%増加することになる.左室の拍出量は胎児では150 mL/min/kgであり,出生後は400~450 mL/min/kgで約3倍になる.出生後,左室から出る総心拍出量の比率は増加し,右室からの総心拍出量比率は減少する.出生後に心拍出量が増加する理由は明らかにされていない.胎児では胸腔内が液体で満たされているため,子宮内腔から圧力が伝搬することにより心膜圧が高くなっている.この高い心膜圧は心室の充満を制限して,1回拍出量を制限する.出生後の自然発生的な換気は,大気圧と関連した陰性の胸腔内圧を生じ,陰性の心膜圧により心室を充満しやすくする.心室機能が十分であれば,この心室の大きな拡張期充満により,1回拍出量と心室拍出量の増加がもたらされる.コルチゾール,甲状腺ホルモンなど,いくつかのホルモン類は,周産期の循環調整において重要な役割を持つと考えられている38, 39)

正常胎児の心機能

以上のような成人とは異なる胎児の循環動態はこれまで動物実験による研究が主流であった.しかし,近年の心臓超音波ドプラ技術の出現は胎児の心血管病態生理学の非侵襲性検査を可能にした.

ヒト胎児において,ドプラ血流速度波形は,静脈管,卵円孔,房室弁,左右流出路,肺動脈と大動脈を含むすべての心臓レベルで記録できる.

1. 静脈管

静脈管は臍静脈から下大静脈へ至るバイパスで胎盤から酸素化された血液を門脈・肝臓を介さず直接下大静脈に流入させている.また,胎盤からの多量の還流血で右心室に負担がかからないように括約筋で調節している.静脈管は胎児の腹部の横断面で描出できる.静脈管波形は第1の頂点s波(収縮期),第2の頂点d波(拡張期),そして心房収縮によるA波(心房収縮期)から成る.Sピーク速度とAピーク速度(s/A)の間の比率は,静脈管の血行動態を表す,角度から独立したパラメータである40)

2. 下大静脈

下大静脈波形は静脈管波形と同じくs,d,a波から成る.右心房の収縮による影響を直接受けるためa波は逆転している41).IVCのa波はうっ血性心不全(右心房内圧の上昇やpreloadの増加)によって増高する42).Preload index(PLI)はPLI=a/sで算出し,妊娠週数に依存せず正常は0.4以下である43)

3. 房室弁流入波形

Early wave(E波)とAtrial wave(A波)を計測し,心室拡張能を評価する方法.新生児や成人ではE波がA波より高いのが正常であるが,胎児は心筋拡張能が低くE波よりもA波の方が高い44).胎児のE/Aは妊娠初期で約0.5,中期で約0.8と妊娠週数とともに増加する.双胎間輸血受血児のようなうっ血性心不全ではE波とA波は単峰性となる.

4. 大動脈と肺動脈

大動脈と肺動脈からの流速波形は,それぞれ,左右流出路像から記録できる.最大流速(Peak Velocity: PV)と加速時間(Time to Peak Velocity: TPV)は,最も一般的に用いられる指標である.PVは弁輪径,心筋収縮性と後負荷を含むいくつかの因子によって影響される45, 46).上行大動脈のPVは,主肺動脈より高い,妊娠20週でPVは上行大動脈で平均60 cm/s,主肺動脈で平均54 cm/sである.妊娠が進むにつれてゆっくりと上昇し上行大動脈で平均60~120 cm/s,主肺動脈で平均50~110 cm/sまで上昇する47, 48).一方,TPVは平均動脈圧,心室の収縮性によって定義される.TPVと平均動脈圧は逆相関の関係にある.肺動脈のTPVは大動脈より優位に短い,これは胎児の平均肺動脈圧が平均動脈圧より高いことを示唆している49)

5. 総拍出量(Combined cardiac output)

左右心室の体重あたりの心拍出量の合計で心機能を評価する方法,Cardiac output=半月弁面積×半月弁通過血流速波形時間積分値÷体重で算出する.左右心室の拍出量を総合した総拍出量(Combined cardiac output)の正常値は500 mL/kg/minである.双胎間輸血受血児では800 mL/kg/minを超えると胎児死亡の危険因子とされている.胎児でも心収縮率が低下した場合,心拡大で拍出量を維持する.特に心拡大のある症例では注意が必要である.

6. 動脈管の血流波形

動脈管は主肺動脈と下行大動脈を結ぶ導管である.右心室圧は主に動脈管の血管抵抗によって規定されていると考えられている.動脈管での収縮期の最大速度は妊娠15週で50 cm/sで,満期には130~169 cm/sまで速くなる.拡張期血流は妊娠17週には確実に検出でき,pulsatile indexは2.46±0.52と比較的高値で,妊娠中一定である.動脈管が狭くなると最大血流速度が早くなり,pulsatile indexは1.9以下になる.重度の狭窄は1.0まで低下する50–52)

7. 胎児ドプラ血流波形の変化

妊娠20週頃から,これらの胎児ドプラ血流波形に変化が起こる.下大静脈のPLIと静脈管のs/Aは有意に減少する.両方の房室弁流入血のE/A比率は増加する,そして,流出路のPVと流出血時間積分値(time velocity integral: TVI)は増加する53–55)

これらの変化は,心室コンプライアンスが急速に改善するからである56).これらは下大静脈のPLIの減少,E/Aの増加と胎盤抵抗の低下により減少した右心室後負荷に起因する右心室の心拍出量の増加によって説明できる.妊娠20週以降,肺動脈のTPVは大動脈のTPVより低い57).これは肺動脈圧が上行大動脈圧より少し高いことを示唆する58).正常な右室心拍出量(RCO)は左室心拍出量(LCO)より高い,RCO/LCOの比率は妊娠18週の1.25から,妊娠38週で平均1.15まで低下する59).総心拍出量(CCO)は妊娠18週で100 mL/minから妊娠38週で約1,000 mL/minまで増加する.しかし,体重あたりの総心拍出量は妊娠期間を通して450 mL/min/kgで一定である.

まとめ

先天性心疾患の病状,胎児心不全の診断には胎児循環生理の理解が必要である.妊娠中もしくは出生後に起こる胎児循環の変化を観察するにはドプラ法が役に立つ.今後,胎児診断の進歩によって経験したことのない胎児心疾患を経験することが予測される.小児循環器専門医を目指す方には胎児循環生理の理解と検査技量は必須となるであろう.

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